こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
二十四節気では4月4日から【清明】に入りました。江戸時代、太玄斎によって書かれた「こよみ便覧」に依れば ※こよみ(暦)便覧は、江戸時代に出版された暦の解説書
万物発して清浄明潔なれば 此芽は何の草としれるなり
天地万物が明るく清らかに輝き、生き生きと草木が芽吹き出すころを意味します。
【清明】の七十二候 | 名称 | 意味 |
初候 4月4日〜4月8日頃 | 玄鳥至(つばめきたる) | 南の国から燕が飛来するころ。夏鳥の燕の訪れは農耕シーズン開始の合図とされる。 |
次侯 4月9日〜4月13日頃 | 鴻雁北(こうがんかえる) | 雁が北国へと渡っていくころ |
末侯 4月14日〜4月19日頃 | 虹始見(にじはじめてあらわる) | 空気が潤い、雨上がりに美しい虹が出始めるころ。 |
今回は平安王朝時代の装束「襲(かさね)色目」と桜に関した和菓子をご紹介したいと思います。どうぞお楽しみください。
「襲色目」とは 平安王朝の人々は、着物(袷)の表裏の色合わせ等で季節の風情を表現していました。自然の色合いの調和を衣装に取り入れることによって、四季の移り変わりやその風情を愛で、自然の偉大さに敬意をはらっていたのです。 |
『桜がさね』薯蕷製&葛製

『桜がさね』《御菓子 むらやきや》
▪︎販売価格:1個378円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:やまいも
▪︎栄養成分表示:100gあたり 211kcal
江戸時代以前は桜といえば「山桜」でした。山桜はソメイヨシノとは違い、開花と同時に若葉が出る品種です。葉の色も赤紫色や褐色、黄緑色、緑色と個体変種が多く、春の風景を彩り豊かに染め上げます。そのため、桜に関する襲色目は数多くあります。表地に淡青(うすあお)×裏地に二藍(ふたあい)を配した[薄桜萌黄]、表:白×裏:淡紅色の[薄花桜]、表:蘇芳×裏:赤花の[樺桜]…etc.
『桜がさね』は「桜」の襲色目[表:白×裏:赤花]を、薯蕷の白と葛羊羹の海棠色(かいどういろ)との二層で表した一品です。ふわりとやわらかな薯蕷につるんとした葛羊羹の組み合わせは口あたりも軽やか。水羊羹に定評がある《むらさきや》さんですから[流しもの]はお得意ですね。しみじみとおいしい。
おまけ💕中生菓子『摘む草』蓬練りきり製 大島あん&『月』最中皮製 上がりあん

『摘む草』《御菓子 むらやきや》
▪︎販売価格:1個216円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:なし
《むらやきや》さんに行ったら小ぶりの中生菓子も買いたいもの。今回は中生菓子を2品購入いたしました。お値段こそ控えめながら意匠は本格的なのが嬉しいところ。『摘む草』は蓬入りの練りきりをぎゅっと茶巾絞りした一品です。

蓬入りの練りきりの中は大島あん。黒糖の独特な風味を蓬の清々しさがしっかりと受け止めています。
中生菓子2品目は最中種の『月』。


うっすらと焼き色がついた最中皮を春の朧月に見立てた一品です。中は求肥に包まれた上がりあんというこだわりが素晴らしい✨最中皮もパリパリし過ぎず、求肥の柔らかさとのバランスが絶妙です。これ、ほんとおいしくてタイミングが合えばもう一度買いに行きたいと思っています。
“上がり(あがり)”とは献上菓子を意味し、上質なこし餡を使った羊羹を尾張徳川家に献上していたことに由来しています。 |
今回ご紹介した和菓子店舗
《御菓子 むらさきや》

住所 | 〒468-0061 愛知県名古屋市中区錦2丁目16番地13 □名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」駅 1番出口より徒歩3分 |
---|---|
電話 | 052-231-5427 |
営業時間 | 月曜日~金曜日:9:00 〜 17:00 土曜日:9:00~15:00 |
休業日 | 日曜日·祝日 |
コメント