こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
『松風』と銘うつ和菓子は「けしの実」を用いた干菓子のことで、室町から江戸時代に全国各地で多く作られました。土地柄によってさまざまな意匠をしているところがなかなか興味深いところです。
「日本一薄い和菓子」と呼ばれる片面だけを焼いた薄焼き煎餅や味噌風味の瓦煎餅、中にこし餡を包んだ醤油ベースの焼き菓子、そして京都発祥の西京味噌を使ったカステラ風のもの。それぞれ良さがありますが、一番好きなのは「味噌松風」です。和風カステラのような見た目ですが、卵を使っていないのでふんわりというよりもどっしり、こっくり。これがまた、おいしいんですよ💕京都で「松風」といえば「味噌松風」が主流ですが、そのなかでも【松風御三家】と呼ばれる和菓子屋さんがあります。
- 《亀屋陸奥》応永28年(1421)創業 西本願寺境内
- 《松屋藤兵衛》大徳寺そば
- 《松屋常磐》承応年間(1652~1655)創業 京都御所そば
今回ご紹介するのはその一つ《松屋常磐》さんの『味噌松風』です。どうぞお楽しみください。
『味噌松風』
『味噌松風』《御菓子調進所 松屋常磐》 ▪︎販売価格:1箱 901円(税込) ▪︎賞味期限:製造日より3日間 ▪︎原材料名:小麦粉(小麦国産)、砂糖、味噌、黒ごま/膨張剤 ▪︎特定原材料等:小麦粉、大豆、ごま ▪︎栄養成分表示:1箱あたり 1,044kcal
《松屋常磐》さんの『味噌松風』は、敬愛するJR高島屋和菓子バイヤー·畑 主税氏に「最後の晩餐にしたい和菓子のひとつ」と云わしめた逸品です。大徳寺の江月和尚が考案した製法を江戸時代より十六代にわたって一子相伝で守り抜いてきたので大量生産とはいかず、店舗でも予約で埋まって買えないこともあるとか。今回、JR名古屋高島屋の銘菓百選で見かけた際には僥倖に「おぉ✨」と感じ入ったものです。
小麦粉と砂糖、西京味噌を練り混ぜた生地の表面に黒ごまをトッピングし焼き上げた『味噌松風』。生地の水分含有量が高めなので賞味期限が短い(わりに大きい)のが難点ですが、控えめな甘さのあとに残る西京味噌の上品なコクと風味が絶品でいい和菓子に巡り会えた嬉しさに顔がほころびます。
ちなみに店舗では焼き上がった頃に来訪すると、切り落とした端っこ「福耳」と呼ばれる部分を買い求めることも出来るそうです。
今回ご紹介した和菓子店舗
《御菓子調進所 松屋常磐》
住 所 | 〒604-0802 京都府京都市中京区堺町通丸太町下ル橘町83 丸太町駅(京都市営)から323m □京都市営地下鉄烏丸線「丸太町駅」より徒歩約5分 |
---|---|
電話 Fax | 075-231-2884 075-231-2884 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
休業日 | 年始のみ |
コメント