こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
【やっとかめ文化祭2023 和菓子企画】でさまざまな和菓子屋を巡っています。今まで知らなかった地域の和菓子屋さんに出会えるのが楽しみのひとつ。遠方だと思っていた和菓子屋さんが意外に交通の便がよくて、また通ってみようかなぁと思えるのがいいですね。
今回訪れたのは《御菓子司 もち観》さん。「荒子観音」さんのすぐそこに位置する和菓子屋さんです。
【やっとかめ文化祭】とは 毎年10月下旬から11月上旬にかけて、名古屋のまちを舞台に伝統芸能の公演、歴史や文に出会う寺子屋・まち歩きなど、多彩なプログラムを開催する文化の祭典のこと。今年の【和菓子巡り企画】のテーマは「和菓子の原点に還って、名古屋の素朴な和菓子」。ナビゲーターは文筆家の甲斐みのりさんです。 |
店内には美味しそうな和菓子がたくさん並んでいます。安価で地元に愛される和菓子屋さんって雰囲気ですね。エントリーされているのは荒子観音にまつわる「円空仏」をモチーフにしたもの。いったいどんな和菓子なんでしょうか。
エントリーNo.23『円空大黒天もなか』
『円空大黒天もなか』《御菓子司 もち観》 ·販売価格:1個130円(税込) ·賞味期限:製造日より6日間 ·原材料名:砂糖(国内製造)、小豆、もち粉(国産)、水飴、寒天 ·特定原材料等:なし
円空仏拝観の日ではなかったのでどんなお姿をしているのだろうと思っていましたが、《もち観》さんにレプリカが置いてありました。見比べてみると『円空仏大黒天もなか』は忠実に再現された御菓子と云えるでしょう。ふっくらと何処なく柔らかな佇まいをしています。表情も柔和でコンパクトなサイズ感が親しみをもたらしていますね。
パリッとした最中種。もし、時間がたって柔らかくなっていたらトースター等で温めますとパリッ感が戻ります。中はぎっしりとつぶ餡が入っており食べ応えがありますね。
円空仏の裏にはお店の屋号「餅観」の押印がありました。
円空作品の魅力は、素朴な生命力に満ち溢れているところ。この和菓子を手にすると力が湧いてきます。少し時間がたってしっとりとした最中の皮も好きです。
甲斐みのりさんのコメント
円空仏の「荒子観音」へ行こう
天平元年(729)の創建された荒子観音寺(浄海山円龍院観音寺)は尾張四観音の一つ。初観音の日(現在は節分の日)にその年の恵方の寺院へお参りするとご利益があると云われています(他:竜泉寺·笠寺·甚目寺)。
加賀藩主前田利家が天正4年(1576)に再建した天台宗の寺院である荒子観音寺。荒子に生まれた利家は、豊臣秀吉より加賀の国を与えられるまで荒子城を構えていたとされます。荒子観音より200m先にある富士権現社(荒子城址)が生誕地ですので、お時間ある方はぜひ荒子観音参拝と共に足を運んでみてくださいね。
また、荒子観音には1,250余体が円空仏が残されています。これは、現存する円空仏(5,000体ほど)の1/4にあたる分量。延宝年中(1673~81)に住職円盛上人に請に応え留錫された際に彫られたものです。仁王門の中に納められている2対の仁王像は最大で、3mを超える大きなもの。覗いて見てみるもなかなか全容が拝見出来ないのが残念至極ですね。
多宝塔は天文5年(1536)に再建されました。名古屋市内最古の木造建築物で、国の重要文化財に指定されています。
⏫「六角堂」と「地像尊」
本堂。ご本尊は聖観音で、33年に1度だけ開扉される秘仏です。
本堂に配置されていた「賓頭盧(びんづる)」さん。腰をなでなでしてきました。
本堂左手にある護摩堂には不動明王が祀られています。青い身体の不動明王とカラフルな二十八衆の姿には圧倒されてしまいます。天井画はダイナミックで今にも絵の中から飛び出てきそうな雰囲気です。
円空仏の拝観は毎月第2土曜日に本坊にて行われます。『円空大黒天もなか』と見比べてみるのも面白いかもしれませんね。
住 所 | 〒454-0861 愛知県名古屋市中川区荒子町字宮窓138 ·名古屋市営地下鉄東山線「高畑」駅より 徒歩7分 |
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電話 Fax | 052-361-1778 052-361-1756 |
営業時間 | 7:00~17:00 |
休業日 | 月曜日·火曜日 |
今回ご紹介した和菓子店舗
《御菓子司 もち観》
住 所 | 〒454-0861 愛知県名古屋市中川区荒子町宮窓12 ·あおなみ線「荒子」駅より徒歩7分 ·名古屋市営地下鉄東山線「高畑」 駅5番出口より徒歩10分 |
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電話 | 052-361-0595 |
営業時間 | 8:00~19:00 |
休業日 | 木曜日 |
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