おすすめ干菓子『和三盆 源氏香』《俵屋吉富》

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こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

2024年大河ドラマ「光る君へ」の影響なのか【源氏物語】を題材とした和菓子をあちらこちらで見かけます。

今回はご紹介するのは、着物や帯などでも人気のデザイン「源氏香」をモチーフとした干菓子。源氏香、好きなんですよねー✨香道をされている方にはお馴染みの図ですが、シンプルながらもメッセージ性もある図案で楽しい代物なんですよ。

「源氏香」とは
5種類の香を5包ずつ作った25包を混ぜ合わせ、5包を取り出し焚いて薫ずる。5包の香りを聞いた客は5本の縦線を引き、同じ香りと思うものの線の上部を横線でつなぐ。
この線の組み合わせによって生じる52通りの香図に源氏物語の五十四帖のうち五十二帖の巻名(「桐壺」と「夢の浮橋」の二つは除く)を採用したものが源氏香図。

『和三盆 源氏香』落雁(打物)

『和三盆 源氏香』《京菓子司 俵屋吉富》
▪︎販売価格:1箱5個入り 756円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より30日間
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養成分表示:1箱あたり 90kcal

まるで平安時代の襲色目を彷彿させるデザインのパッケージ。赤·鬱金色(うこんいろ)·青柳の三色は華やかさが、藤紫·淡藤色の濃淡はたおやかさが感じられる色合わせですね。それぞれに源氏香があしらわれていて何とも雅やか。箱を開ける楽しみがありますね。

原材料名和三盆糖(国内製造)、澱粉、寒梅粉(もち米加工品)、還元水飴、砂糖、にっき、玄米粉、抹茶/着色料(青1号、赤3号、赤106号、黄4号)

中には「源氏香」を型どった五色の和三盆糖が入っています。口に含むとほろりと溶け、上品な甘さの和三盆糖を堪能出来ます。素敵な意匠なので贈り物にしたいところですが崩れやすい故、持ち運びには注意を要します。

では、それぞれの特徴を見てみましょう。

☆第12帖【須磨】にっき味

【源氏物語】の起筆は第1帖【桐壺】からではなく【須磨】だという説があったことはご存じでしょうか?(現在では伝承が事実に基づくものではないという考え方もあり)。

紫式部は「まだ読んだことのない珍しい物語が読みたい」という要望を受け、石山寺に参籠していました。その際、大津·石山寺から琵琶湖に映る中秋の名月を見て書き始めたのがこちらの一節⏬

【須磨】は失脚した源氏が自ら須磨へ退去し、孤独を感じる日々を過ごす巻。その源氏の心境を「にっき」の独特な甘くスパイシーな香りに込めました。

☆第17帖【絵合】プレーン

【絵合】は物語絵の優れたものを左右に分かれて互いに差し出し歌を詠みあい優劣を競う遊び。

源氏の力添えで後宮入りした梅壺女御(のちの秋好中宮)と権中納言(もと頭中将)の娘·弘徽殿女御の【絵合】は優劣つきがたく、ついに冷泉帝の前で勝負となる。最後に源氏が出した須磨の絵日記の見事さで梅壺方が勝ちとなる。

一重梅(色)に染めた和三盆糖は、優しく上品ながらも(源氏の色香にも)凛とした姿勢を崩さなかった梅壺女御の人となりが見えるかのようです。

☆第21帖【乙女(少女)】抹茶味

源氏と葵の上の息子·夕霧が元服を迎え、あえて六位となる(位袍(表着)の色は官位によって変わる。一位·こき紫、二~三位·うす紫…六位は緑衫)。官位が低いことにより幼なじみの雲居雁との恋は許されぬものとなり、五節の舞姫である惟光の娘に懸想するもあえなく失恋。巻名は源氏と

夕霧が詠んだ

に由来。

夕霧のほろ苦い心情を抹茶味で仕上げました。

六条御息所の旧邸に四季の町からなる六条院が完成する。
◇【春の町】源氏と紫の上
◇【夏の町】花散里 のちに玉鬘も
◇【秋の町】秋好中宮(梅壺女御)
◇【冬の町】明石の君

☆第22帖【玉鬘】プレーン

頭中将と夕顔の遺児·玉鬘と偶然の賜物により再会。源氏は玉鬘を娘として六条院に迎え、花散里を後見とし「夏の町」に住まわせた。巻名は源氏が詠んだ

に由来。【玉鬘】から【真木柱】までの十帖を玉鬘を中心とした物語であることから「玉鬘十帖」と呼ぶ。逆境に適応していくしなやかさをもつ「玉鬘」を藤色に染めた和三盆糖で表しました。

☆第42帖【匂の宮】玄米味

第41帖「幻」で源氏はこの世を去り、次世代の物語の始まりを告げる【匂宮】。浮き名を流しながらも器量のよさがあった源氏に比べ、次世代は何となくくすんだ印象。恋愛模様もぐずぐず、ドロドロした感じで暗澹たる気持ちになってしまいます。白茶の和三盆糖は、源氏が他界し火が消えたような寂しさになった六条院の風情を感じさせます。

今回ご紹介した和菓子店舗

《京菓子司 俵屋吉富》本店

住  所〒602-0029 
京都市上京区室町通上立売上ル
◇ 駐車場:本店向い お客様駐車場(1台)
□ 京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅下車 徒歩約5分
電 話
FAX
075-432-2211
075-432-9271
営業時間8:00〜16:00
定休日毎週 日曜日・水曜日

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