こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
本日11月19日は、千家三代・元伯宗旦居士(1578~1658)を偲ぶ【宗旦忌】が執り行われます。裏千家の礎を築かれ、利休居士·小庵宗淳居士より続く侘び茶を大成された方ですね。裏千家の今日庵には宗旦お手植えの大銀杏の木があり「宗旦公孫樹」と呼ばれています。【宗旦忌】では「宗旦公孫樹」の銀杏が入った『銀杏餅』をはじめ、宗旦にちなんだ茶道具を拝見をするなど宗旦居士の遺徳を偲び修道を誓います。
「千宗旦」 祖父の利休が豊臣秀吉により自刃に追い込まれたことから政治との関わりを避け、生涯仕官せず「乞食宗旦」と云われるほどの清貧さを以て侘び茶を極めた。 長男宗拙は加賀藩前田家、次男宗守は高松松平家、三男宗左が紀州徳川家、四男宗室も加賀藩前田家へ仕えさせた。長男宗拙は勘当されたので、遺された3人によって千家は守られ、現代まで続く「三千家」武者小路千家(次男:一翁宗守)、表千家(三男:江岑宗左)、裏千家(四男:仙叟宗室)を興した。 |
『銀杏餅』羽二重餅製 小豆こし餡
『銀杏餅』《京菓子司 末富》 ·販売価格:1個627円(税込) ·販売期間:11月2日~11月末頃まで ·賞味期限:製造日より2日間 ·原材料名:砂糖(国内製造)、小豆、米粉、山芋、ぎんなん、馬鈴薯澱粉 ·特定原材料等:やまいも ·栄養成分表示:100gあたり 269kcal |
小豆こし餡の上に炒ったぎんなんを乗せ、やわらかな羽二重餅で包んだ一品です。羽二重餅に透けてみえる梔子色(くちなしいろ)のぎんなんに野趣が感じられますね。
この時期、各和菓子屋さんで『銀杏餅』がつくられます。道明寺餅製のものもあり、それはそれで仄かに透けるぎんなんに風情が感じられるものです。ふんわりとした餅製の中に元伯宗旦手植えの公孫樹の実を散らし込んだ『銀杏餅』は裏千家十四代·淡々斎好と云われるもの。今日庵では【宗旦忌】にこの淡々斎好みの銀杏餅を出すのが恒例になっています。
中は、なめらかな小豆こし餡。上品な甘さの餡と、ぎんなんのねっとりとした食感や仄かな苦味とのバランスは絶妙です。
おまけ✨『手向山』薯蕷製 小豆こし餡
『手向山』《京菓子司 末富》 ·販売価格:1個540円(税込) ·販売期間:11月2日~11月30日まで ·賞味期限:製造日より2日間 ·原材料名:砂糖(国内製造)、小豆、米粉、山芋、馬鈴薯澱粉/着色料(赤105、赤3、黄4) ·特定原材料等:やまいも ·栄養成分表示:100gあたり 269kcal |
奈良県奈良市にある手向山は紅葉の名所として知られています。かの菅原道真も古今和歌集にて
今回の旅は急なことでしたので、幣の用意もできませんでした。手向山(たむけやま)の色とりどりの紅葉(もみじ)の葉を幣(ぬさ)として差しあげますので、神の御心のままにお受け取りください |
錦秋に表されるように、色艶やかな紅葉を幣(旅の安全を祈願するため神前に供える五色の紙や布を細かく切ったもの)に見立て歌を詠みました。
《末富》さんは『手向山』と銘うち、俵屋宗達·光悦·光琳をはじめとする琳派の図柄のようなシンプルさで紅葉を表現しました。一斤染(色)の薯蕷生地には手向山麓に位置する手向山八幡宮を表す焼き印が押されています。
表面は一斤染、裏面は淡黄蘗(うすきはだ)と色のコントラストが楽しめる配色となっています。
断面から薯蕷生地のふんわり感が伝わってくるようです。
今回ご紹介した和菓子店舗
《京菓子司 末富》本店
住所 | 〒600-8427 京都府京都市下京区松原通室町東入 ・京都市営地下鉄烏丸線「五条」下車 徒歩約5分 ・京都市営バス5系統もしくは26系統「烏丸松原」下車 徒歩約5分 |
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電話 | 075-351-0808 075-361-5308 |
営業時間 | 9:00 〜 17:00 |
休業日 | 日曜日・祝日 ※連休・年末年始などは営業日・営業時間を変更する場合がございます。 変更の場合はお知らせに掲載しておりますのでご確認ください。 |
《末富》JR名古屋高島屋店
住 所 | 〒450-6090 名古屋市中村区名駅1-1-4 ジェイアール名古屋タカシマヤ地下1階 和菓子売り場 (google map) |
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電 話 | 052-566-1101 |
営業時間 | 10:00~20:00 ※主菓子(生菓子)取扱日:木曜日 |
定休日 | ※店休日・営業時間は百貨店の営業に準じます。 |
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